2021.07.14
『会社の社長をしていると言うと、「豪華な家や車にお金をかけているんでしょう」と思われがちですが、実はそういったものへの執着はそれほど強くなりません。
今、僕が一番お金を使っている対象は「つながり」です。
家族とのつながり。
会社の仲間とのつながり。
友人とのつながり。
地域とのつながり。
自分の心や体とのつながり。
僕の家は神奈川県の逗子市にあります。
海と山に囲まれ、陽光と穏やかな風に恵まれた、空気も空気もきれいな地域です。
とてもお気に入りのわが町ですが、実は1年前までは東京の高層マンションに住んでいました。
マンションの中には好きなピアノを運び込んだり、景色のいい部屋を選んだりしていて、それなりに満足できる生活を送っていました。
ところが、2020年の春を境に、僕の人生のデザインが根本から変わったのです。
きっかけは全世界を襲った新型コロナウイルスでした。
僕が社長をやっている会社、レオス・キャピタルワークスでは、働き方のルールを原則在宅勤務に変えて、僕自身もオフィスに行かずに自宅で仕事をする日々に。
これは大きな大きな変化でした。
そして、気づいたのです。
これまでの生活はすべて「東京にあるオフィスで毎日働き、東京に暮らす」という一つの“型”を前提にしていたんだと。
その型の中で幸せの最大化を目指していたのだと。
型はたった一つじゃない。
いろんな選択肢があっていい。
そう考えた結果、暮らしの拠点を自然豊かで明るいエネルギーが溢れる場所へと移してみようという新しいアイデアが浮かんだのです。
この新しい暮らしの目的はやはり、「家族や仲間とのつながりを深めたい」というものでした。
お金の使い方の変化は、そのまま「人生の変化」なのだと実感しています。』
このコロナを機に、都会から少し離れた郊外に引っ越すという流れは少しずつ始まっている。
ヤフー社長の川邊健太郎氏も、房総半島の海辺にカントリー調の家を建て、動物たちと戯れながら暮らす生活を始めたという。
緊急会議にはヘリコプターを飛ばして参加する。
お金の使い方で、その人の未来がわかる。
過去にばかりお金を使っているのか、未来に向かってお金を使っているのかだ。
これは、何も投資の話だけではない。
たとえば、読書など自分を磨くためにお金を使うという、自分とのつながりのため。
地域とのつながり、家族や友人とのつながり、仕事のつながり…
どのつながりを重視してお金を使っているか。
新たな未来を築くため、お金の学びを深めたい。 投資家、藤野英人