私は40歳のときに離婚しました。
そして42歳のとき、経済的に自立できるよう、自宅のワンルームマンションで、当時高校生だった長女の次原悦子と、長女の同級生の松本理永の3人で、小さなPR会社を興しました。
サニーサイドアップと名づけたその会社は、娘や多くのスタッフたちのおかげでどんどん大きくなり、2018年には東証一部に株式上場しました。
でも、会社を立ち上げた当時の私は、ちょっと前まではただの主婦だった普通の女性です。
いまでこそ女性社長も珍しくありませんが、当時は「女だけではじめた会社」と見られ、不動産を借りるだけでも一苦労でした。
また、私はお金も人脈もなかったですし、何の資格も実績も持っていませんでした。
でも、営業だけは誰にも負けず、いつも「営業の神さま」が微笑んでくれました。
私は短大を卒業後、入社した広告代理店での営業はもちろん、結婚後も、保険、「タッパーウェア」、化粧品、女性用かつらなど、いろんなモノを売ってきました。
どれもジャンルとしてはバラバラですが、いずれも独自のアイデアで瞬く間にトップの成績を取り、PR会社を創業後も営業営業でした。
よく「どうして、そんなにモノが売れるんですか?」「なんで、恵さんが売るとうまくいくのでしょうか?」と聞かれますが、私は「営業の神さま」が笑ってくれる秘訣は5つあると考えています。
1つめは「行動」です。
人脈もコネも、お金も実績もなかった私は、行動を武器にしました。
営業は「こちらが考えていたとおり」の結果が出るとは限りません。
むしろ、予想外のことが起きることのほうが多いでしょう。
「考える」には限界があるのです。
しかし「動く」には自分が諦めない限り、際限がありません。
まずは動き、その上で考えるのです。
私は「頭を光らせる前に足を光らせる」とよく言っています。
2つめは「スピード」です。
どれだけ動いても、スピードがない動きでは意味がありません。
たとえば私は「お礼状は当日中に書いて出す」を実践していました。
東京で地方のお客さまにお会いした際、その日のうちにお礼状を書いて郵送していたので、私のお礼状がお客さまのお帰りを(郵便受けの中で)お待ちしていた、ということもありました。
私は「石橋を叩く前に渡れ」をモットーにしていました。
3つめは「情熱」です。
お客様は商品知識が豊富で、営業トークも爽やかで、常識的な営業さんから商品を買いたいでしょうか?
それよりも、無私の心でお客さまと向き合い、共感力が高く、情熱的な営業さんのほうが、好感を持つと思います。
私は、つねづね「情熱が人を巻き込む力になる」と言っています。
4つめは「愛情」です。
営業さんの「こうすれば買ってもらえる」とか「このお客に丁寧に接してもリターンは少ないだろう」という気持ちは、たいていお客さまに見透かされています。
技術や経験は、時に営業にとって足枷にすらなりえるのです。
私は「得ることより与えることに鍵がある」と思っています。
5つめは「人間力」です。
私は「人間力とはおせっかい力だ」と捉えています。
おせっかいとは、見返りを求めず、ただただ相手のためを思った親切な行動のことです。
要は「人のために何かしてみよう」ということなのです。
いつも「お客さまを喜ばせるにはどうすればいいのか」を考え、一生懸命におせっかいを焼いてきたことで、結果的に営業成績のトップを取ることができたのだと思います。
一般社団法人おせっかい協会会長、高橋恵(めぐみ)