2021.05.16
たとえば、毎日、会社へ車通勤をしていたとします。
その「新たな体験」に関して、脳が一番強烈に刺激を受けるのは車通勤の初日です。
しかし時間がたつにつれ、いままでの記憶や経験のみで車通勤に対処するようになる。
新しく何かを記憶することがなくなり、脳も刺激を受けなくなる。
そう、鍵は「目新しさ」にあるということになる。
新たな刺激を受けることで、脳に「新たな体験」に関する詳細な情報が保存されるからです。
当然ながら、われわれが「はじめて」を多く体験するのは若いころです。
そして、それが脳に刻まれ、記憶として残り続ける。
はじめてキスをした日。初めて自転車に乗った日。それに、はじめてアルコール類を飲んだ日。
そんなふうに、まったく新たな体験をするのは、どう考えても若いころの方が多いと言えるでしょう。
「主観的に記憶される年月の長さは、年少者にはより長く、年長者にはより短く感じられる」という心理学的要因もある。
1歳の赤ちゃんからすると、1年間という時間の長さは、年齢と比較すると1/1=100%になる。
一方で50歳の大人からすると、1年間という時間の長さは、自分の生きてきた年齢と比較すると、たったの1/50=2%にすぎません。
つまり年を取るにつれ、生きてきた年数によって1年の長さの比率が小さくなり、どんどん時間が早く経つように感じるのです。
とはいえ、がっかりすることはありません。
逆に言えば、いくつになっても新しいことに取りくみつづけ、脳に刺激を与えればいいんです。
まったく新しい体験をすると、それが強く意識に残り、時間が再びゆっくり経つように感じられる。
新しく外国語の勉強を始めたり、行ったことのない場所を訪れたりするだけでも、脳は活性化される。
夏休みが永遠に続くように思えた子どものころのように感覚は、いつでも取りもどせる。
長く充実した人生を生きたいのなら、「挑戦」しつづけることは、欠かせない要素なんです。