2021.04.23
《素心規(そしんき)》
素心とは、利害や意見や年齢や地位身分など、そういう様々な世間の着色に染まぬ生地のままの純真な心のことをいう。
一、禍(か)か福か、福か禍か、人間の私心でわかるものではない。
長い目で見て、正義を守り、陰徳を積もう。
二、窮困(きゅうこん)に処するほど快活にしよう。
窮すれば通ずる、又通ぜしめるのが、自然と人生の真理であり教えである。
三、乱世ほど余裕が大切である。余裕は心を養うより生ずる。
風雅(ふうが)も却(かえ)ってこの処に存(そん)する。
四、世俗の交(まじ)わりは心を傷(いた)めることが少なくない。
良き師友(しゆう)を得て、素心の交わりを心がけよう。
五、世事(せじ)に忙しい間にも、寸暇(すんか)を偸(ぬす)んで、書を読み道を学び、心胸(しんきょう)を開拓しよう。
六、祖国と同胞の為に相共(あいとも)に感激を以(も)って微力を尽くそう。