2022.01.01
皆さま、明けましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。
今年も宜しくお願い申し上げます。元旦
正月の《正》という字ね、字引で引くとすると「何ヘン」で引くと思いますか?
やさしい字だから改まって引いたことがないかな?
昔の漢和辞典ではね、「止」というヘンで引くんですよ。
《正》というのはね、「一に止まる」ということです。
「一を守る」それが正。
それでは一とは何でしょう?
一とは原点、一とは自分、一とはこのわたしです。
自分が人間としての原点に止まる、それが正。
自分が人間としての原点を守る、それが正。
自分が自分の原点に立ち帰る、それが正です。
そして、自分が自分の原点に立ち帰る月、それが正月です。
つまり、自分が自分になる月、それが正月。
自分が自分になるということは、人間としての、本来の自分になること。
それでは本来の自分とは何か?
「そんとく」「勝ち負け」お金の「有る無し」等と比べることをやめた自分、それが本来の自分です。
子供のことで言うならば柿の落ち葉をみて「わァ、キレイ!」と感動し、その落葉を大事に拾ってきた子供の心、それが子供本来の心です。
感動することにお金は一銭もかかりません。
感動にそんとくはありません。
そんとくを離れた人間本来の自分に立ち帰る月、それが正月です。
ふだんの私達の現実生活は、いつも「そんとく」「勝ち負け」という「比べっこ」にふり廻されているから、一年に一ぺん、そういう世間的な「比べっこ」をやめて本来の自分に帰ろうというのが正月です。
正月になると、寺によっては、「修正会(しゅしょうえ)という行事をします。
「修正する会」と書きます。
何を修正するのでしょう?
昨年やってきたことのあやまち、失敗を反省し、同じことをくり返さないように、自分の原点に立ち帰って、自分の生き方の軌道修正をするんですね。
そして、自分のことばかりではなくて、世の中の平安や世界の人々の幸せを祈願するわけです。
つまり、正月とは、「そんとく」で歪められた自分の軌道修正をする月ともいえます。