小林正観さんは《太陽になる》というのをこう言っています。
『例えば、今まで不登校の子どものことで心配していた母親が、ある日突然、「やれ、フラダンスだ、やれ、テニスだ」と、にこやかで楽しそうな状態になったとします。
初めの1ヶ月ぐらいは、いぶかしげに見ていた子どもでも、3~4ヶ月も経ったときには、「いったい、お母さんに何が起こったのだろう」と思います。
母親が、《太陽さん》になって、心地よさそうに常に楽しそうにしていると、「お母さん、どうしたらそんなふうになれるの?」と、悩んでいる子どもほど聞いてくるでしょう。
そのとき、初めて実例見本として話せばいいわけです。
自分の心の支えとしてあるものを語ればいいんです。
いい話を聞いたからといって、すぐに伝えようとするよりも、まず、自分が実践してみましょう。
すると、子どもはそれを手本として「こういう生き方が楽しそうだな」と思うかもしれません。
子どものことを思うあまり、いつも暗い顔をして笑顔がないのでは、子どもはそんな顔を真似しようとは思わないでしょう。
暗い顔の親を見本としている、暗い顔の子どもがいるのではないですか。
本当に子どものことを考えるなら、早く自立させてあげることです。
それには、子どものことを心配して気にしている親が、まず《気にならない親になる》ことです。
ただひたすら自分の人生を幸せに生き始めること。
もともと、子どもを育てる能力など、親も先生も本来持っていないのです。
ただ《自分の生き方を、手本として、見てもらえるかどうか》だけです。
「まなぶ」の語源は「まねぶ」。
つまり、「まねをすること」でした。
子どもにとって、一番嬉しくて気持ちいいのは、母親がいつもイキイキして幸せそうにしていることでしょう。
そのとき初めて子どもは楽しい気分になるのです。
何とかしなくてはならないのは、子どもではなくて自分自身。
面白いことに、自分の心が喜ぶ生き方をしていくと、あれほど気になって心配していた子どものことも、優しい気持ちで見守れるようになっていくようです。』
心理学のカウンセラーの方は、自分が「ゴミ箱」になってしまう、という人が多い。
クライアントの愚痴や悩みをずっと聞いていると、それが澱(おり)のようにたまってしまうからだ。
負の「気」(邪気)を受けてしまうということでもある。
「人を変えることはできないが、自分を変えることはできる」という言葉がある。
心理学の基本的なスタンスだ。
どんなに何度も注意しても、怒鳴っても、怒っても、子ども(相手)は変わらない。
唯一変わるときは、本人が気づいて変わるだけ。
そして、そこに影響を与えることができるのが、生き様だけ。
笑顔で、楽しく、幸せに、感謝しながら生きているかどうか。
まず、自分が太陽になること。