社長ブログ

「信用」と「関係性」

2021.03.14

「みんなが貪欲(どんよく)になっているときこそ恐怖心を抱き、みんなが恐怖心を抱いているときにこそ、貪欲であれ」

これは世界一の投資家ウォーレン・バフェットの言葉です。

あなたがお金を運用してみようと迷っているとき、バフェット本人からこの言葉を教わったとしたら、この言葉は座右の銘になるほどはっきりと記憶に残ることでしょう。

なぜなら、11歳で株式投資を始め、1代で10兆円を超える純資産を築いたバフェットの教えだからです。

では、もし同じ内容のアドバイスを証券会社の若い営業担当から受けたらどう感じますか?

あなたは「何を偉そうに」「ヤバい銘柄でも買わせるつもり?」「誰かの名言のパクリでしょ?」と反発を覚えるのではないでしょうか。

草花を育てるとき、土を耕してから種を蒔くように、誰かに影響力を及ぼす人になるためには準備が必要です。

それが、「信用」と「関係性」です。


あなたには信頼できる友人、知人が何人いますか?

何十人、何百人の顔が浮かぶ人はほとんどいないはずです。

親友と呼べる数人の顔、家族、恩師や師匠だと思っている何人かが、心から気を許せる存在として思い浮かぶのではないでしょうか。

何かに悩み、人生の選択に迷ったとき、あなたは彼らに相談し、そのアドバイスに耳を傾けます。

なぜなら、彼らは「あなたの状況を理解し、親身になってくれる」=「信用できる人が、自分と関係性の深い話をしてくれる」からです。

つまり、関係性ができあがっている相手には、影響力を発揮しやすいわけです。

しかし、こうした信頼関係を築くまでには多くの場合、時間がかかります。

ですが、私たちは信頼できる特別な人の言葉だけを信じるわけではありません。

ときには初めて会ったばかりの人のアドバイスに納得し、ときにはたまたま読んだ本の偉人の名言に心動かされ、ときには偶然目にしたYouTubeで話すメンタリストの言葉に影響を受けているはずです。

つまり、影響力を発揮するには「信用」と「関係性」が不可欠ですが、この2つを備えた信頼関係を結ぶのに、時間や共通体験が必須なわけではないのです。

影響力のある人は、聞き手にとって「信用できる話し手となる方法」を知っていて、聞き手に「この話は自分に関係があると思わせる術」を持っています。

言い換えるなら、彼らは聞き手を短時間で信用させ、これから語って聞かせる内容に関係性を感じさせ、相手の考えや行動に影響を与えることに長けているのです。