2020.12.22
インドの王様の、ある家臣は「これについて、おまえはどう思う?」と王様から聞かれると、必ずあるセリフを言ったそうです。
その結果、王様からたいへん信頼されました。
さて、その家臣のセリフとは?
ジャナカ王の家臣にアシュタバクラという者がいました。
その男は、王様から「これについて、おまえはどう思う?」と聞かれると、いつもきまって、あるセリフを言いました。
「起こることは、すべて最高でございます」
何が起きても、そう言われたら悪い気はしない。
その結果、彼は王様からとても信頼されました。
しかし、やがて、他の家臣たちが、アシュタバクラに嫉妬するようになり、ある日、王様が手にケガをしたとき、ワナにはめられてしまうのです。
家臣たちが、アシュタバクラに「王様がケガをされたことを、どう思う?」と聞いてきたのです。
これに対して「起こることは、すべて最高」と答えたら、王のケガを喜んでいるようにもとられます。
さあ、アシュタバクラどうする?
彼は答えました。
「起こることは、すべて最高でございます」
すぐに家臣たちは王様に告げ口をしました。
「王様!アシュタバクラは、王様のケガのことも最高と言っております」
怒った王様は、アシュタバクラを牢屋に入れてしまいました。
そして、王様が狩りに出かけたある日のこと。
王様は“人食い部族”に捕まってしまったのです。
その部族は儀式のときに人を生け贄(にえ)として火あぶりにします。
王が火あぶりになる直前、彼らは王の手にケガがあることに気づきます。
この部族には、傷ものは生け贄にできないというしきたりがあったので、「もうお前には用はない」と王様は放免されました。
無事に帰って来ることができた王は、アシュタバクラを出してあやまりました。
「わしが手にケガをしたのは、おまえの言う通り最高の出来事であった。どうすれば、この過ちをつぐなえるだろうか?」
アシュタバクラは言いました。
「もしも、私を牢屋に入れてくださらなかったら、私はいつも狩りでは王様の側から離れないので、いっしょに捕まっていたことでしょう。
そして、ケガをしていない私は、生け贄になっていたことでしょう。
だから、私は牢屋に入れていただいて最高だったのです」
王様はここで悟ります。
「人生で起きることは、本当にすべて最高なのだ」と。
アメリカの成功者たちへのアンケートを見ても、そのことがわかります。
彼らがあげた成功した理由のベスト3。
それは…。
「病気」「倒産」「失恋」でした。
あの病気のおかげで…。
一度倒産したおかげで…。
失恋したおかげで…。
すべて、いわゆる不幸ばかりです。
失望したくなるようなことばかりです。
しかし、彼らはこのツラい出来事を、「自分を深く見つめ直す機会」に変えて、生き方を改めたのです。
すると、災いは転じて福となったのです!
つまり、「失望」すら「希望」の一部なのです。