2020.10.04
「祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)の鐘の声 諸行無常の響きあり」
という、平家物語の冒頭の言葉がある。
ある資産家がお釈迦さまに帰依して、お寺を建てて寄贈した寺が祇園精舎。
お釈迦さまの弟子たちは、死が近づくと祇園精舎の中の無常堂という場所に移り、死を迎えたという。
そして、亡くなったときに鳴らされたのが、無常堂の鐘(かね)。
その鐘の音があたりに響くと、みな、諸行無常のはかなさを感じたという。
諸行無常の「諸行」とは、形のあるものや無いもの、すべてを指す。
「無常」とは、常が無いこと、つまり、今の状況や状態がそのまま続くということはない、ということ。
人も、会社も、物も、すべては時間の経過とともに、必ず変化していく。
一つとして同じところに留まっていることはない。
どんなに有名な人であろうと(無名であろうと)、お金持ちであろうと(お金がなかろうと)、四苦(生・老・病・死)は平等に訪れる。
栄耀栄華を極めた国家や世界的大企業であっても、いつかは必ず衰えるときがくる。
そして、生きている限り人間も、時々刻々変化し、定まることはない。
変化をきらい、現状を維持しようとしても、それは悠久の歴史の流れのなかでは、無駄な抵抗となる。
つまり、自らも変化に合わせて変えていくしかない、ということだ。
そのためには、「新しいこと」に興味を持ち、何か「新しいこと」を始めること。
諸行無常に逆らわず…