社長ブログ

もうひとつの幸せ論

2020.08.25

良寛禅師のこんな話があります。

『良寛和尚と親交のあった解良栄重(けらよししげ)という人が江戸時代に良寛和尚の逸話をまとめた『良寛禅師奇話』を記しています。

良寛和尚が解良栄重の家に宿泊したときのこと。

良寛和尚が家にいるだけで、上の者も下の者も、そこにいるすべての人たちが和やかで温かな雰囲気に満たされたそうです。

そして、良寛和尚が帰ってからも、その雰囲気はしばらく続きました。

良寛和尚は宿泊中に、説教をすることも、道徳を説くことも、悟りを語ることもありませんでした。

ときおり台所で焚き火をしたり、座禅をしたりして、ただゆっくりとしていただけ。

それでも、良寛和尚が身にまとった和やかな雰囲気から、人々は自然に教え導かれたのです。』


言葉で説得しようと思っても、人は変わらない。

変わらないので、もっと強い口調で怒鳴ったり威嚇したり、あるいは暴力を使ってまで変えようとする。

変わらない相手が悪いのだ、と。

人は、生きざまという「後ろ姿」を見るだけで、感化を受ける。

そこには言葉はいらない。

楽しそうに生きること。

面白がって生きること。

嬉々として勉強すること。

人をゆるすこと。

何事にも感謝して生きること。