2020.08.24
「き・く・あ」とは、き=『競わない』、く=『比べない』、あ=『争わない』のこと。
また、小林正観さんは、「念」を入れて生きるについてはこう言っています。
『「念」という字を分解すると、「今」の「心」となります。
「念」を入れるということの意味は、とてもわかりやすく文字にこめられているのです。
「今」を大事にする「心」。
今、目の前にいる人を大事にし、今、目の前にあることを大事にすることです。
目の前の人を大事にし、目の前のこと一つひとつを大事にやっていったとしたら、その「念」を入れた生き方は、必ずや“未来”につながっていくでしょう。
「今」が独立して存在しているわけではありません。
「今」の積み重ねが“未来”をつくっているのです。』
この「念を入れる」生き方は、多くのことに応用できる。
たとえば、ノートルダム清心学園の理事長をされていた、渡辺和子氏のアメリカの修道会にいたときの話がある。
『食事の準備のために、食卓にお皿を配っていた渡辺和子さんに、あるシスターが寄ってきて訊ねたそうです。
「あなたは今、何を考えながらお皿を配っていますか?」
渡辺和子さんは戸惑いつつ、「いえ、何も考えていません」と答えました。
そのときシスターは、「あなたは時間を無駄にしています。なぜ、このお皿を使う人の幸せを祈りながら配らないのですか。この世に雑用という仕事はないのですよ」
そう教えてくれたというのです。』(22世紀への伝言/廣済堂出版)より