2020.08.19
一、ことばの多き
一、はなしの長き
一、問わずがたり
一、てがらばなし
一、じまんばなし
一、おのが氏素性の高きを、人に語る
一、人のもの言いきらぬうちに、もの言う
一、さしで口
一、人の話のじゃまをする
「ことばの多き」とは、しゃべりすぎのこと。
「問わず語り」とは、人が尋ねないのに自分から語ること。
「差(さ)しで口」とは、でしゃばってよけいな口出しをすること。
「人のもの言いきらぬうちに、もの言う」とは、人がまだしゃべっているうちに、それをさえぎって話し出すこと。
これらの戒語の多くは、「俺が」「俺が」という自己中心的な考えを戒める言葉。
人は、どうしても自分のことを優先的に考えがちだ。
だから、利他ではなく、利己になってしまう。
伝教大師はそれを「忘己利他(もうこりた)」と言った。
自分のことは後回しにして、人に喜んでもらうことをしよう、ということ。
「話三分に聞き七分」という言葉があります。
人は、自分のことをしゃべりたくて仕方ない生き物。
だから、自分が話すのは3割にとどめ、7割聞くことに徹せよ、ということ。
「問わず語り」を自分の戒めとしたいですね。