2020.07.17
萩本欽一氏は議論についてこう語ってます。
『「負けるが勝ち」よくこう言いますよね。
僕もそう信じています。
でも、なんで負けるほうが勝ちなんだと思いますか?
僕なりの理由はこう。
“負けたほうが運がたまるから”。
誰も必ず人と意見が衝突することがあるけれど、そういうとき「自分のほうが正しい」とか「議論に勝ちたい」って、つい思っちゃいますよね。
でも、そう思ったら負け。
勝とうとすると自分の運が減っていくんです。
だから言い合いになったときは、自分が正しくないかということより、運を減らさないことを大事に考えたほうがいいの。
相手が「てめえ、ばか野郎!」と言ってきたら、「あ~あ、あの人、自分の運を減らしちゃったよ、その分をこっちがもらっちゃおうかな」と心の中で考えるの。
具体的な方法はどうすればいいかというと、謝っちゃうんです。
「そうか、悪かったね」とか、「ごめん、君の言う通りだよ」って言えばいい。
もう一つ大事なのは、自分が一歩引くことによって、相手に嫌われるのを避けられるっていうこと。
人に嫌われないっていうことは、すごく運になるの。
人生って結局、運をどれだけためられるかっていう勝負なんです。
だから、そのほかの勝負で勝とうなんて思わなくていいの。
だからバ~ンと言われても、ぐっとこらえて言い返さない。
負けるが勝ち。』
議論になったとき、多くの人は、自分が正しいことを証明したがる。
逆に言えばそれは、「あなたは間違っている」と言い立てること。
そしてそれは、自分を認めて欲しいという思いの表れでもある。
しかし、議論に勝ったところで、相手は嫌な思いになり、段々と離れて行ってしまう。
いつも大声でまくしたて、人の話も聞かずに、一方的に自分の意見を押しつける人を好きになる人はいない。