2020.07.15
人格者になるということは、徳があり、人をひきつけるような人柄があるということ。
『「花は香り人は人柄」ということです。
見た目にいくら華やかで艶(つや)やかでも、造花には真に人を引きつける魅力はない。
人もまたいくら実力があっても、傲慢で鼻持ちならない人に人間的魅力はない。
まず自分を創(つく)ること。
自分という人間を立派に仕上げること。
そして、徳の香る人になること。
これこそ人生で一番大事な法則、これを遵守(じゅんしゅ)すれば人生は大丈夫という原則、すなわち人生の大則でしょう。
それは…
一つは、人生に対して覚悟を決めること。
覚悟を決めない限り、真の人生は始まらない。
先哲は繰り返しこのことを説いている。
沖縄の漁師が言ったという。
「遠洋の漁場に出ようと決めると、風が起き、帆がざわめき、波が立ってくる。
だが、まだ覚悟が決まらない船には風が起きんのよ」
人生もまた然(しか)りです。
二つは、傲慢になるな、謙敬(謙虚で、敬い、慎むこと)であれ、と教える。
不遇の時には謙虚だった人が、うまくいきだすと傲慢になる。
人間の通弊(つうへい)である。
だが、傲慢になった時、天はその人の足をすくう。
その事例は数限りない。
三つは、誠実であれ、ということ。
誠実は古来聖賢がもっとも大事にした人間最高の徳目である。
あえてもう一つ付け加えれば、「久」であろう。
久しく続けることで、人生の大則は揺るぎないものになる。』
我々は子どもの頃から能力を磨くことばかりやってきた。
しかし、人生の最後に役立つのは人格を磨くこと、徳を積むことだ。
「40歳を過ぎたら、自分の顔に責任を持て」と言ったのは、アメリカの第16代の大統領、リンカーン。
つまり、40歳を過ぎたら、顔に、その人の品性や人格がにじみ出て来るということだ。
それは…
狡猾さ、卑(いや)しさ、ずる賢さ、冷酷さ、陰気さ、等が一瞬でも顔をよぎるのか、
あるいは、愚直さ、明るさ、おおらかさ、正直さ、温かさ、陽気さ、等がにじみ出ているのでしょうか。