2020.07.12
「是非の初心忘るべからず。
時々の初心忘るべからず。
老後の初心忘るべからず。」(花鏡・かきょう)
と言ったのは、600年前に能を大成した世阿弥(ぜあみ)。
「是非の初心」とは、未熟だったときの芸を忘れない、ということ。
「時々の初心」とは、その年齢、その段階では初心者であり、そのことを忘れない、ということ。
「老後の初心」とは、老年になっても初めて経験する芸もあり、そこにも初心がある。年を重ねたからと言って慢心してはいけない。
つまり、いくつになっても、その年齢やその段階での初心がある。
初々しい心は、初心ということでもあるが、「初々しさ」とは、素直さのことでもある。
松下幸之助翁は、「素直な心」をこう定義している。
『素直な心とは、寛容にして私心なき心、広く人の教えを受ける心、分を楽しむ心であります。
また、静にして動、動にして静の働きのある心、真理に通ずる心であります』
初心を忘れず、魅力ある人を目指したいですね。