2020.05.31
《ついに起こらなかった害悪のために、われわれはいかに多くの時間を費やしたことか。》(第3代アメリカ大統領、トーマス・ジェファーソン)
アメリカ合衆国の独立に貢献し、建国の父と讃えられるジェファーソンの見出しの言葉の意味を物語る好例として、古くから伝わる民話を紹介しましょう。
ある村で暮らす人たちが、村祭りを楽しみにしていました。
すると、そこへ一人の占い師がやってきて、「この村には間もなくして大きなクマが現れるから気をつけなさい」と告げました。
それを聞いた村人たちは恐れおののき、村祭りを中止してしまいました。
しかし、結局、いつまでたっても、クマは現れませんでした。
しばらくして、例の占い師がやってきて、今度はこう告げました。
「間もなくして戦争が起こる。この村は兵士たちによって荒らされる」
その話を聞いた村人たちは恐れおののき、村を捨てて逃亡してしまいました。
しかし、結局、いつまでたっても、戦争は起きなかったのです。
この話は、占い師の言葉に惑わされる村人たちの愚かさを指摘すると同時に、取り越し苦労することの愚かさも説いています。
トラブルやアクシデントが起きた時のことを想定して、ある程度の心配や用心をするのに越したことはありません。
しかし、起こるか起こらないかわからないことを勝手に想像して思い悩むのは時間の無駄だし、何よりも不安感が強くなって人生がつまらないものになってしまいます。
未来をあれこれと心配することなく、今という瞬間を楽しく過ごしたほうが、より快適な人生を送れるでしょう。
《未来をいたずらに心配しない》