2020.06.01
「 大事の思案は軽くすべし」の後には、「小事の思案は重くすべし」という言葉がくる。
そして、「武士は何事も七呼吸で決断せよ」という。
およそ十数秒だ。
大事の思案を軽くできる人は、普段から、肚を練って、自らを高めている人です。
大事は思わぬときにやってくる。
大災害だったり、今回のようなコロナ禍です。
突然の災難や疫病にもうろたえないで、速やかに判断し決断できるのが、肚ができている人であり、覚悟ができている人。
また、ささいなこと、とるに足りないようなことという「小事」をおろそかにしたばかりに、屋台骨が傾いてしまうということはよくある。
「千丈(せんじょう)の堤(つつみ)も蟻(あり)の一穴(けつ)から」
という言葉の通り、大きくて頑丈な堤防も、蟻がつくった小さな穴から崩れることもある。
ほんのわずかな不注意や油断が、大きな失敗につながるという戒めです。
だからこそ、常日頃、小事の思案は重くする必要があります。
その積み重ねが、非常のときの覚悟につながる。
覚悟ができれば、あとは、損得は関係ない。
自分の直感や縁のあるなしで考えずに決められる。
たまたま来た話(大事)や頼まれごとを、ニコッと笑って、「ご縁だから」「あなたに言われたらしかたない」「世のため人のため」と即断し、グズグズ言わずに引き受ける。