2020.05.25
《独り来たり独り去る。一として従う者なし。》(大無量寿経)
幼な子が独り旅立った。
なげき悲しむ母をおいて。
五十余年の歳月を共に歩み、いつくしみあってきた老夫婦。
夫を残して妻は逝った。
旅立つも独り、あとに残るも独り。
独り残った老翁はつぶやいた。
「孤独地獄におちています」と。
釈尊は生・老・病・死の四苦を説かれました。
生まれるのも独り、年老いるもの独り、病むのも独り、死するのも独り。
「人は、ただ独りでそれに立ち向かっていかねばならぬものだ」
「独り来たり独り去る。一として従う者なし」と、すでに仏は説いておられます。
「助けてもらえるような」「助けてやれるような」というあまえを捨てて、立ち向かわねば、と思うことです。