2020.04.27
話し方が影響するのは、その瞬間だけではない。
話し方はその人の無意識に入り込み、身体の一部になって、のちのちの思考や行動も変えていく。
生活への影響で言うなら、話し方は人生観を形づくり、そして人生観は行動を変える。
それを無視するのは危険だし、人生観なんてないと自分をごまかすのはもっと危険だ。
「人生は不公平だ」と不平を言いながら生きている人は、その見方に沿った行動を取るようになり、やがては被害妄想を抱く。
ある研究によれば、そんな不平をよく言う人は仕事がおざなりになるという。
「がんばったって意味がない」と最初から決めつけているからだ。
不公平だという見方は、こうしてあっという間にその人の現実になっていく。
逆に、「成功はどこにでも転がっている」という見方の人は、仕事に打ち込めるのはもちろん、エネルギッシュで生き生きとした人生を送ることができる。
もちろん、自分は成功できるという自信は、実際に成功するための(大切ではあるが)一つの要因でしかなく、成功へ至る道はほかにもある。
しかし成功への信念がなければ、道のりは険しいものになる。
「そんな信念なんて持ってない」という人には、この本がお勧めだ。
のちにローマ皇帝になったストア派の哲学者、マルクス・アウレリウスは、
「大切なのは、つらいときに『なんて不幸なのだ』と思うのではなく、『がんばる機会が得られて運がいい』と思うことだ」
と言っている。
問題をどうとらえ、どう表現するかは、すべて自分次第だ。
それは足かせにもなれば、前へ進むための踏み台にもなる。
人生を沈ませることもあれば、浮かび上がらせることもある。
アウレリウス帝のようなストア派の哲学者は、外界の物事に影響される必要はまったくないと考えていた。
自分にとっての現実は、自分の頭でつくり出すことができると考えていた。