2020.04.19
仏教における「苦」とは、単に苦しいということではなく、「思い通りにならない」ことを言う。
「四苦八苦(しくはっく)」
という言葉があるが、八つの「苦」がある。
四苦という、「死んでいく苦しみ」「病気の苦しみ」「老いの苦しみ」「生きる苦しみ」。
そして、八苦という、「心身を思うようにコントロールできない苦しみ」「親しい人といつか別れなければならない苦しみ」
「恨みや憎しみを抱いてしまう人と会わなければならない苦しみ」「お金や地位や名誉など、求めるものが手に入らない苦しみ」。
四耐四不訣もこれと同じで、思い通りにならないこと。
小林正観さんは、「耐える」とは言わず、「受け容れる」という。
それは「思い通りにしようとしないこと」でもある。
なんでも、自分の思い通りにしようとするから、苦しくなる。
なぜなら、人生のほとんどのことは、思い通りにはならないからだ。
だから、「ああ、そうなりましたか」「そうきましたか」といって淡々として受け容れる。
「冷・苦・煩・閑」を淡々として受け容れ…
どんなこともあっても、カッとしたり、
嬉しいことがあっても、はしゃぎまわったりせず、
人とむやみに競うのではなく、
だれかの言いなりになったり、すぐに同調したりしてはいけない。