2020.04.04
小谷真理(まこと)さんというホームレス芸人がいる。
1983年生まれの37歳。
「何でも屋」をうたい、自分の一日を50円で売るという日常をおくっている。
ある時は、一日草むしり、ある時は、引っ越しの手伝いや、飲食店の皿洗い。
現在結婚している奥さんとは、「鬼ごっこ」の依頼を受け、意気投合して一緒になった。
結婚費用もクラウドファンディングであっという間に170万円集まったという。
どうして毎日暮らしていけるのかというと、それは「信用」だという。
一日中草むしりをたったの50円でやってもらったら、依頼人は誰でも、お昼も夕飯も出すし、飲みにも連れて行きたいと思うようになる。
このことによって、小谷氏は誰よりも感謝されるようになった。
そして、まとまったお金がいるとき、クラウドファンディングをやり、ことごとく予定のお金を上回って成功している。
なぜなら、今まで50円で小谷氏を買った人たちが皆応援するという。
つまり、「感謝」は「信用」であり、それはお金とつながっている。
まさにこの「信用」は、人に奢られて生きている、「奢ラレヤー」氏も同じ。
自分の生き方を、人に、ゆだねきり、まかせきったとき、頼まれごとの人生が始まる。
頼まれごとの人生とは、頼まれたことを「不平不満、愚痴、泣き言、悪口、文句、辛い、嫌だ、疲れた」という言葉を使わないでこころよく引き受けること。
いい仕事をしようとか、ほめられようとか、気負わずに「いい加減」でニコニコして淡々とやっていく。
しがらみや執着をなくし、自分が得をしようとかも一切思わない。
すると自分の生き筋や使命が見えてくる。
人には、様々な生き方、暮らし方がある。
人に奢(おご)られて生きていく、という人生もまた面白い。