2020.04.05
幻冬舎「あたらしい経済」編集長、設楽悠介(したらゆうすけ)氏がこんなこと書いてます…
ビジネスにおいて「突飛なアイデア」という大風呂敷を広げる経営者やリーダーを「広げ人」と仮に定義するならば
僕が本書で定義したい「畳(たた)み人」は、仕事
のアイデアを形にし、着実に実行に移す仕事人のことです。
リーダーに対する「名参謀」や「右腕」のような存在と言ってもいいでしょう。
広げ人が仕事のアイデアをゼロから生み出す「0→1の人」だとすれば、畳み人はその1を10にも100にもする仕事です。
会社のポジションで言うと、CEOが広げ人でCOO(Chief Operating Officer)が畳み人
また会社内の新規事業であれば、プロジェクトリーダーが広げ人で
それをサポートして現場メンバーとリーダーをつなぐNo.2のポジションが「畳み人」というイメージです。
前日本代表・長谷部誠選手や現日本代表の柴崎岳選手を想像していただけるとわかりやすいかと思います。
具体的には社長やプロジェクトリーダーである広げ人の一番近くで一緒にアイデアを組み立て
実行するためのあらゆる戦略を練り、チームを組成し育て、社内外の根回しもして、その事業全体を牽引し成功に導くのが畳み人の役割です。
世間的には「アイデアを生み出した人がすばらしい」と、広げ人ばかり評価される風潮もありますが
僕はアイデアを生み出した人と同じくらい、いやそれ以上にアイデアをきちんと実行させる畳み人をすばらしいと考えています。
有名なアメリカの経営学者であるピーター・ドラッカーもこう言っています。
“Strategy is a commodity, execution is an art.”
(戦略はコモディティであり、実行こそアートである)
仕事においてアイデアや戦略は消費されるコモディティ(日用品)のようなものですが
それを実行することはアートのように価値があるとドラッカーは言っているのです。
この言葉を借りると、本来の意味で仕事の真価が問われるのは、「アイデアや戦略をいかに実現するか」ということ。
アイデアは実行されてこそ意味を持ち、ビジネスでの大きなポイントになるのです。
そういう意味でもアイデアを実行に移す「畳み人」は、ビジネスにおいて欠かせない存在であると言えます。
また、そのビジネスを「畳む技術」も、多くの現場において欠くことのできない重要なスキルなのです。
畳む技術を身につけることは、バランスのいい仕事の筋力を作ること。
筋力があれば長い人生、仕事を行ううえで、多くのチャンスが舞い込みます。