2020.04.06
邑井操(むらいみさお)氏の書籍から…
人間関係の中心は“暖”だ。
逆に言えば冷たくないことだ。
冷たさは人をひきはなしてしまう。
人を冷評(れいひょう)する、冷嘲(れいちょう)する、無視する、蔑視(べっし)する、無関心さを示す、悪意で見る…等々。
みな人の心の冷たさのなせるわざだ。
それは相手の心を淋しくさせてしまう。
狂わせる。
人を孤独にして淋しがらせ、悲しませるのはこちらが相手を冷視し、冷遇するからだ。
暖か味に欠けているからだ。
人は誰でも孤独には耐えられない。
孤独も長ければ死を思うようにさえなる。
人を孤独にさせてはならない。
人の身辺を賑(にぎ)やかにし、心を華やかにさせる暖かさこそ、人間関係を良好に保つゆえんだ。
なぜ人が動いてくれたか、ああ、あの時暖かく迎えたからだった、と気がつけばいい。
人の不幸を喜ぶ人は、心の冷たい人だ。
人の不幸を悲しみ、同情する人は、心の暖かい人だ。
だが、そんな人でも人の幸福を心から喜ぶかとなると、必ずしもそうでもない人もいる。
それは人が悪いのではない。
ただ嫉妬心が強い人だ。
人の不幸を悲しみ、人の幸せを喜ぶ、そういうことのできる人が、人々から慕われ愛され尊敬され、晩成する大器だ。
『遅咲きの人間学 大器晩成のすすめ』PHP文庫