2020.03.26
齋藤孝氏は実際のメモの取り方についてこう語る。
『◆基本編としては、「キーワードを中心にメモを取る」という方法がある。
話の中で大事だと感じた言葉、印象の強い言葉をキーワードとして書き込む。
そうして書き留めたキーワードを、会話の中で質問として相手に投げかける。
すると相手は、自分の言葉を繰り返し、解釈を添えた上で投げ返されるので、話を真剣に聞いてくれている、理解してくれていると感じる。
◆上級編としては、「自分の発想を書く」という方法。
上級編は相手の言葉をメモするだけではなく、その言葉をもとに思いついた発想や気づきをメモする。
相手の言葉やキーワードを書き込むと同時に、自分の頭の中でそれを具体的に膨らませていく。
会話というのは、抽象化と具体化を行きつ戻りつすること。
抽象的な言葉を、具体的に「つまりこういうことですか?」と投げ返す。
その往復を可能にするのがメモ。』
「メモの魔力」の中で前田裕二氏は、メモはより本質に近づくために取るという。
会話やミーティングの内容を「ファクト」として、かいつまんで書く。
そして、そのキーワードから展開して、「抽象化」する。
その抽象化した気づきを、別の何かに「転用」して実際行動に移すための要素に落とし込むという。
つまり、「ファクト→抽象化→転用」という流れだ。
いずれにしても、メモの達人は単なるメモだけにとどまらず、それが別の何かに昇華する。
あらたなる気づきや、発想、アイデアにつながる。
メモを残さなかったら、どんな素晴らしい気づきも、あっという間に消えてしまう。
「メモは向上心の現れ」(野村克也)