2020.03.14
行徳哲男師は、人間の魅力は「素・朴・愚・拙」の四つの言葉で表すことができるという。
素とは、飾らない魅力。
朴とは、泥臭い朴訥(ぼくとつ)とした魅力。
愚とは、自分を飾らずバカになれる魅力。
拙とは、不器用でヘタクソだが一途な魅力。
これらの要素は、みな「鈍」という言葉に置き換えられる。
小器用(こぎよう)でない魅力だ。
小林正観さんは、「強靭(きょうじん)な精神力」を持つには「ボーッとすること」だという。
「ボーッとする」とは、「鈍」であること。
「神経を張りつめて何ものをもはね返す」ことでも、「ガードすること」でもなく、「闘って状況を変えること」でもない。
だから、バカにされても傷つかない人、メンツやプライドを傷つけられても笑っていられる人が一番強いという。
そうすれば闘わずに済むからです。
孫子の兵法に、「百戦百勝は、最善なるものにあらず」というものがある。
なぜ百回も戦うのか。
賢い武将は一度も戦わない。
本当に優れた武将とは、敵をつくらず、一度も戦わない人のことだからだ。
「根」とは、続ける力。
もくもくと、根気よく、ただひたすら続ける。
そうすると、「運」がやってくる。
まさに、元京大総長の平澤興氏が言う、「鈍・根・運」の順番で考えるとよい、ということと符合する。