2020.02.21
「活を入れる」とは、刺激を与えて元気づける、ということ。
柔道などでは、気絶した人の息を吹き返させる技のことをいう。
また、別に「喝を入れる」という言葉があるが、これは座禅で、僧侶が「喝!」と大声で言って持っている棒(警策・きょうさく)で修行者の背中を打つことが語源。
禅では、「喝」は叱るという意味で使うが、以心伝心、拈華微笑(ねんげみしょう)の世界だ。
相撲では、自分のまわしや頬っぺたをたたいたりして活を入れる。
柔道や剣道では、組み合うときや、試合中も大きな声をだす。
自分に気合を入れ、気力を奮い起こすためだ。
自分にムチを入れることでもある。
「水は低きに流れ、人は易(やす)きに流れる」という。
放っておいたら、楽な方へ楽な方へ流れてしまう。
「一日作(いちじつな)さざれば一日食らわず」
という禅の言葉がある。
百丈和尚が80歳になった時、炎天下でも畑仕事をしていたが、それを見て、弟子たちが健康を気遣って「作務をやめてください」と言った。
それでも百丈和尚は作務をやめなかったので、畑仕事の道具を取り上げてしまったところ、和尚は食事をとらなかったという。
その時に言った言葉がこの「一日作さざれば一日食わず」。
元気がなくなったら、自分で自分に活を入れたい。