聞き流したり、断ったりできない人って“いい人”でいなきゃいけないと思っているんじゃないかな。
だけど、いい人になんてなる必要はないよ。
嫌なことを嫌と言ったからって、悪い人間になるわけじゃないから。
いい人をやめることで、相手を傷つけてしまうかもしれないと思うんだったら、上手にウソを活用すればいい。
気乗りしないことに誘われた時は、
「その日は用事があるからゴメンね」
みたいな感じで、適当な理由をつけて断るとかね。
それと、断る時は笑顔もポイントだよ。
一人さんが人の言うことを聞かない時って、いつも以上に笑顔なの。
普通の人は、相手の意見を受け入れたくない時って、どうしてもこわばった顔や、曇った表情になるんだよね。
でも一人さんの場合は、満面の笑顔で「うんうん、なるほどね~」って。
そう言いながら、実際は全然言うことを聞かない(笑)。
当たりは柔らかいけど、自分の意思は鋼(はがね)より強いんです。
だって、俺には俺の意見があるんだもの。
自分の意思に逆らってまで、人の言うことなんて聞きたくないよ。
そういう強い気持ちを持ちながら、表面的には優しく穏やかに見せる。
これが笑顔のマジックなの。
相手を傷つけることなく、自分も我慢しないで済む。
笑顔って、本当にあらゆる場面で役立つんです。
そうやって笑顔で5回も断れば、6回目は誘われなくなる(笑)。
笑顔のない人って、本当に損をするんです。
人の話を笑顔で聞き流せば、相手の言うことを聞かなくても絶対に嫌われない。
ところがブスっとしていると、たちまち「嫌な人」「自分勝手な人」「ガンコで融通のきかない人」っていう印象になって嫌われるからね。
例えば、会社を辞める時だって、ブスっとしながら辞めるより、最後まで笑顔の方がいいに決まっています。
たったそれだけで、「惜しい人が辞めちゃったね」って思われるの。
仲間からいい波動をもらいながら辞めるのと、「嫌なやつがやっと辞めてくれた」っていうネガティブな波動をもらいながら辞めるのとでは、あなたのその後の人生にだって関わるよ。
いい波動をもらいながら辞めた人は、次の会社でも絶対にうまくいきます。
反対に、嫌な波動をもらいながら辞めた人は、その後どんな仕事をしようとうまくいかないだろうね。
うまくいかない人に限って「会社を辞めると言ったらみんなに意地悪された」とか被害者じみたことを言うんだけど、本当はそうじゃないんです。
会社を辞めるから嫌われたわけじゃなくて、あなたが人に嫌われるような表情や言葉、態度をとったからだよ。
だって、会社を辞めると言っても、最後まで惜しまれる人もいるでしょ?
どんな時でも、感じよく笑顔を心がけるの。
たったそれだけのことで、人生は激変するんだ。
『斎藤一人 楽しんだ人だけが成功する』PHP研究所