2022.08.18
たとえば、みなさんが下駄屋をしているとします。
「自分は下駄屋をしている」と思うと、下駄が売れなくなると、つぶれてしまいます。
ところが、「自分は履物屋(はきものや)なんだ」と思えば、靴を売ればいい。
だから下駄が売れなくなってもつぶれない。
でも、「靴屋なんだ」と思っていると、本当は靴下も売れるかもしれないし、ハンカチも売れるかもしれないし、ズボンも売れるかもしれない。
あんまり自分をしばりすぎると、それしかできなくなってしまう。
だから、「私は商人なんだ」と思ったほうがいいんです。
もし、ここに飢餓が起きたとします。
「商人」だったら、急にお百姓になったり、すいとんを売ったりとか、いろいろとやります。
「自分は商人なんだから、商売ならなんでもやるんだ」
と、こういう気持ちを広く持ってください。
自分をあまり狭めてしまうと、いいことないんです。
なかには、こうおっしゃる人もいるでしょう。
「ウチには、昔から専門でやってきた誇りがあるんだ」
って。
なるほど、たしかに「専門」でやってて、良かったときがあったんです。
でも、今の時代に「専門で」って言ったって、スーパーマーケットの大きいものがどんどんできてきますよ。
自分が小さく「専門だ」とやっていても、専門でないところのほうが、たくさん品物が置いてあったりすることが起きてしまう。
そうするとイチコロで負けちゃいますからね。
商人って、「勝つ」か「負ける」かです。 斎藤一人