2022.07.24
《貧乏はするもんじゃねえ。 味わうもんだ…》 (古今亭志ん生・落語家)
「昭和の大名人」と称される名落語家、五代目古今亭志ん生。
ディティールにかまわない落語のスタイルで、同じ噺でも日によって長さはバラバラ、途中から別の噺に変わることさえあったが、その場に合わせる巧みな話術で、客を引きつけた。
あるとき高座で寝てしまったこともあり、それを見た客が「寝かしてやれ」とそのままにしておいたのは、伝説として語り継がれている。
破天荒なのは高座だけではなかった。
酒を愛した古今亭志ん生は、関東大震災が起きると真っ先に酒屋に走り、空襲が来たときも「どうせ死ぬなら」とビールを飲み、酔っ払って寝ていた。
ウォッカを6本飲み干し、意識不明になったこともある。
その放蕩ぶりは激しく、また戦後になって売れ始めるまで、極貧時代を過ごしていた。
16回も改名したのも、借金取りから逃れるためだったという。
『びんぼう自慢』という著作まである名人のこの一言。
重みが違う。