社長ブログ

ほんとの美人

2022.06.14

私は子供のころ、母から「お前はきりょうが悪いから、せめて、にこにこして人に対しなさい」とよくいわれた。

きりょうを悪く産んだのはおかあさんのせいでしょうと、私はむくれたが、あんまりよくいわれたので、

つい、人に会うと、とっておきの笑顔をするようになり、きりょうは悪いけどあの子は、人なつこくて、愛きょうがあるといわれるようになった。


「世間には美人と言われる女もいるけど、とかく器量よく生まれついた女は、子供の頃から甘やかされて育つから、人間が練れてなくて、面白味のない女になっちまう。

器量は大したことないのに、ああ、いい女だねえって、人に思わせるのが、ほんとの美人というもんだよ」

『切に生きる』扶桑社