2022.06.07
昭和24年に群馬県の赤城山麓で、「槍先型尖頭器(やりさきがたせんとうき)」と呼ばれる磨製(ませい)石器が発見されました。
薄緑色に透き通った黒曜石(こくようせき)でできていて、中心には白雲のような筋状の模様が入り神秘的な美しさを放っています。
長さ約7センチ、幅約3センチの、この小さな石器は、3万年前につくられたことが調査の結果わかりました。
こうした磨製石器は、槍先型尖頭器の発掘以降、日本では関東・中部地方を中心に多数発見されましたが、
海外ではオーストリアのヴォレンドルフ遺跡から出土した、2万5千年前の磨製石器があるのみです。
つまり、日本より5千年も新しい時代のものというわけです。
日本の加工技術は、なんと3万年の歴史があるのです。
ちなみに磨製石器のように石を加工しない、単なる「石器」であれば、日本では島根県出雲市の砂原遺跡から、12万年前のものが発掘されています。
自然人類学によると、いまから200万年前の人類は猿人から分化し、15万年前に現世人類が誕生したとされています。
ミトコンドリア・イブの解析では、15万年前の人類の始祖はアフリカ中央部にいたそうです。
その人類が、いまから5万年前に世界に散らばったとされていますが、日本では12万年前の石器が出土しているのです。
また、長い間、漆は中国からの渡来品だと言われてきました。
中国の浙江省(せっこうしょう)の遺跡では、いまから約7千年前の漆椀が発見されたと、中国の考古学会は発表しています。
一方、日本では、北海道函館市の垣ノ島B遺跡で、いまから9千年前の漆塗りの副葬品が発見されています。
つまり、漆の技術は日本で生まれ、中国に伝播した可能性のほうが高いと考えるのが自然ではないでしょうか。
今日も生きてることに感謝♬