長者番付に常にランクインしている人が、こんなことを言っていました。
「私は、7年間、実質納税ナンバーワンを続けてきました。来年も多分、ナンバーワンだと思います。
5年先も、10年先も、一生涯、変わらないでしょう。
なぜそう言えるかというと、私はめちゃくちゃにツキまくっている人間だからです。」
ここまでの話だと、この人が特別な人だと思ってしまいますが、実は、この後続けてこの人が語った話がとても面白いのです。
「私は、普通の人とは違うちょっと変わった考え方をしているんです。
街を歩いていて、足元に何か重たいものが落ちてきて、足の指を骨折したとする。
そのときに多くの人は、不運だ不幸だ、と言うでしょうが、でも自分はそうは思わない。
超ラ ッキーでめちゃくちゃツイてると言う。
なぜかというと、3cmずれて頭に落ちなくて良かった。
頭に落ちていたら、間違いなく死んでいただろう。
「出かけるときに、玄関で下駄の鼻緒が切れたとする。
普通は、これを不運というのでしょうが、自分はそうは思わない。
玄関で切れてくれて超ラッキーだ。
もし、このまま出かけて横断歩道を渡るときに切れたら、転んで車にはねられて死んだかもしれない。
すべての現象について、私はそう思える性格である。
ゆえに、私の目の前にはどんな出来事が起きてもよい。
それを全部ツイてるツイてると言うことができるので、私は一生涯ツキまくっている人間です。
だから、生涯ずっとナンバーワンを続けると思います。」
私の講演会に来てくださる方で、次のような話をしてくださった方がいました。
車を買ってからまだ2週間という新車に乗っていて事故に遭い、車は大破して廃車になったそうです。
このときに、車は廃車になったけれども、体は無傷だった。
この人は、「車が廃車になるほどのひどい事故だったのに、自分の体は無傷だった。これは奇跡だ。車が、私の体にかかるべき衝撃を、すべて吸収してくれたおかげで、私の体は無事だった。だから、車とメーカーさんに感謝。」と手を合わせたそうです。
しかし、もしそのような考え方をしなかったころの自分だったら、まったく違う立場で 考えただろうとおっしゃっていました。
「自分の体が無傷だった程度の軽い事故で、車が大破して廃車になってしまうとは。こんなもろい車を造ったメーカーを訴えてやる」 と、3年前の自分だったら思ってしまっていただろう、とおっしゃっていました。
このように、一人の人が180度感想が変わることもあるのです。それが人間が成長するということかもしれません。 小林正観