2022.05.29
無能唱元師は、「困ったという思い」についてこう語っています。
『「困ったという思い」は、感情を暗くします。
そして、この情念の暗さは、「成功したい」という思念の力を打ち消してしまうのです。
因(いん)の縁(えん)が生起するためには、「陽の思念」と「陽の情念」がドッキングする必要があるのです。
誰しもが、「成功したい」「健康でありたい」などの陽の思念を持っています。
ところが、陽の思念を持ちつつも、同時に何らかの問題を心に抱えているのです。
この場合、その問題が「困ったこと」として、心の中に居住する限り、陽の思念は、陰の情念に滅ぼされてしまい、それは「念力」として、外部に発動していくことはありません。
私たちが、困った問題に出会ったとき、その問題と向かい合って、じっくりと観察し、考えてみれば、実は別に「困ってなどいない」ことに気がつくはずです。
なぜなら、どんな問題があったところで、「それでも、私は生きている」からなのです。
生きている限り、他のすべては問題ないのです。』(小さなサトリ―ミニ・エンライトメントが人生を変える/河出書房新社)より