2022.05.06
「世直し」と「世直り」の意味は違います。
「世直し」は、世の中を自分の外に見ています。
世直しというのはまず自分がいて、「俺はこうして世直しするんだ」という思いです。
一方「世直り」というのは自分直りということです。
天の仕込みがあって、自分が天来の生き方になっていく。
自分が直ったら、世の中も直るという世界です。
それが 「世直り」です。
「世直し」は人間がすること、しかし、「世直り」は天がすることなのですね。
世の中が何が原因で変わっていくかはわかりません。
ですから、まず自分の「世直り」からなのです。
「ハインリッヒの法則」というのがあります。
「1対29対300の法則」ともいいます。
もともとは労働災害における経験則で、ひとつの重大事故が起きる前には、29の 軽微な事故があり、さらにその背景には300の異常があったというものです。
「世直り」もこれと同じことがいえます。
大きなひとつの出来事のためには、29ぐら いの中ぐらいの出来事が必要です。
その29の出来事が起きるためには300ぐらいの 小さなことが行われなければなりません。
逆に言えば、大きなひとつの出来事のために、一人ひとりの「世直り」が必要なの です。
「世直り」は「余直り」とも書きます。
世の中の「世」と、自分という「余」、 よくお殿様が「余は』という「余」をひとつにかけてあるのですね。
世を思うとは、 自分や国を思うことでもあります。
国を思うというのは、前に立って旗を振って国を 守っていくようですが、そうではありません。
一人ひとりの世直りが、天にも世の中にも影響するものなんですね。