社長ブログ

起業家の精神

2022.04.28

2時間あるから元手の5ドルを増やす方法を考えてください。

こう言われたら、みなさんはどうしますか?

これはスタンフォード大学dスクールの最初の授業で学生に出した課題です。

よくあるのが、5ドルで道具や材料を買って洗車サービスやレモネード・スタンドを始める、というものです。

2時間でほんの数ドル儲かればいいのであれば、それもいいでしょう。

ところが、ほとんどの学生は、最終的に、こうしたありがちな答えのはるか上を行く方法を見つけました。

従来の常識を徹底的に問い直し、いくつものチャンスを掘り起こし、最大限の価値を生み出したのです。

あるチームは学生街でよくある問題に目をつけました。

土曜日の夜、人気レストランには長蛇の列ができます。

苛々(いらいら)しながら列に並びたくない人を助けようと考えたのです。

ペアを組んで、いくつかのレストランに予約を入れます。

予約時間が近づくと、長い待ち時間を嫌う客に売りました。

最高20ドルで買ってくれました。

いちばん利益の多かったチームは別のチームでした。

自分たちが使える資源は何なのか?

まったく違うレンズで捉え、650ドルを稼ぎ出しました。

自分たちにとって貴重な資源は、5ドルでも2時間でもない。

授業での3分間のプレゼンテーションこそが貴重な資源だとひらめいたのがミソでした。

そこで、クラスの学生を採用したいと考えている会社に、その時間を買ってもらうことにしたのです。

このチームは、会社の3分間のCMを制作して、プレゼンテーションで流しました。

とてもよくできていました。

自分たちには、職を探しているクリエイティブな学生という貴重な資源があり、発掘されるのを待っている。

学生たちはそのことに気づいたのです。


物事を近視眼的でなく、広くとらえようとしたチームが独創的なアイデアを出したそうです。

例えば、「5ドルを増やす」という問題も、多く稼いだチームは、5ドルにはまったく手をつけなかったといいます。

5ドルにとらわれてしまったら、5ドルという枠内だけの儲けになってしまうからです。

まさに、クリエイティブな解決法とか、創造力あふれるアイデアというのは、起業家精神の元を成すものです。

それが、ジャンルを超えた製品やサービスのイノベーションを促します。

コロナ後の混沌とした時代、今後、ますます起業家精神が大事になってきます。

なぜなら、何が起こるかわからない、先の見えない時代は、前例踏襲では生き残れないからです。