2022.04.16
「おかあさん ぶってもけってもかまわないから 僕を嫌いにならないで。
おかあさん おねがいだから僕の目をちゃんと見て。
おかあさん おまえを生まなければよかったなんていわないで 僕は今ちゃんと生きているんだから。
おかあさん 優しくなくてもいいから、僕に触って。
おかあさん 赤ちゃんの時抱いてくれたように抱いて。
おかあさん 僕の話にうなずいてくれないかなあ。
つらい、悲しい、もうダメ、お母さんの言葉ってそれしかないの。
赤い爪魔女みたい、ゴム手袋のお台所、お部屋のあちこちにある化粧品、僕の家のお母さんのにおい、僕の入れない世界で満ちている。
おかあさん お母さんの匂いが欲しい、優しい懐かしいにおいが。
おかあさん お願いだから手をつなごう、僕より先に歩いて行かないで。
おかあさん お願いだから一緒に歌おう、カラオケ屋じゃないよお家でだよ。
おかあさん 500円玉おいてくれるより、おにぎり一個のほうがうれしいのに。
おかあさん 笑わなくなったね、僕一日何度おかあさんが笑うかノートにつけているの」
悲痛な子供の声はおかあさんに届いただろうか.....