ラーメンを食べたいと思っていたのに、注文のときにきつねうどんの張り紙が見え、思わず「きつねうどんをください」と言ってしまった。
「心」は九九・九%、ラーメンだったのに、口から出た言葉は「きつねうどん」。
注文を受けた人は、「きつねうどん」という言葉を信用し、きつねうどんを運んできてくれます。
「私」の「心」を酌みとり、ラーメンを運んでくれることはありません。
また、家族や友人などに、心の中で「いつもありがとう」と感謝するよりも、「ありがとう」と言葉にすることで伝わり、相手も喜びます。
言葉は「心」よりエネルギーが強いと言えるでしょう。
「投げかけ」には、「心」「言葉」「行動」の “三コ” があります。
「心」とは、自分が「喜ばれるように生きる」という方向づけをすることです。
「言葉」とは、口から出る言葉を喜びや感謝の言葉にすること。
「行動」とは、実践することです。
「投げかけ」は、「心」「言葉」「行動」がともなっていることが重要です。
ヨハネによる福音書の中に、次のような言葉があります。
「太初(はじめ)に言(ことば)あり、言は神とともにあり、言は神なりき」
この言葉は、宇宙のしくみを表しているようです。
自分の口から出る言葉が、不平不満、愚痴、泣き言、悪口、文句に彩られている人は、その言葉を言いたくなるような現象が降ってきます。
反対に、うれしい、楽しい、幸せ、ありがとうと肯定的な言葉で彩られている人には、そのような現象が降ってくる。
これまで、たくさんの相談を受けてきましたが、問題があると言っている人にはある種の共通項がありました。
親子関係がスムーズに流れていない人は、夫婦関係もスムーズに流れていない。兄弟、職場、近所づきあいなど、すべてに問題を抱えています。
反対に、親子関係、夫婦関係などがスムーズに流れている人は、すべての関係がスムーズに流れています。
ひとつの関係が滞っていて、ほかがスムーズに流れていることはありません。
どこかに問題がある人は、ほかの関係でもケンカをしています。
この二つの違いはなにかというと、あら探しをしているということ。
あら探しをしている人は、どんな人間関係でも、どんな出来事があっても、いつも気に入らないと(あら探し)をしていくため、ケンカやトラブルになります。
あら探しをせず、よいところだけを探してほめていく。
そして、自分もいかに恵ま れているかに目を向けて、すべてのことに感謝し、喜びを見いだしていくと、人間関係や、まわりの出来事が、とても楽しいものに囲まれていきます。
すべては自分が発信している。
あら探しをしているか、称賛探しをしているかによって違ってきます。 小林正観