2022.02.16
イチロー選手は、誰よりも早くスタジアムに入って、誰よりもたくさん練習していましたが、
あるインタビューで、「僕は練習が好きではありません。練習が好きな人って、そんなにいないと思いますよ」と語っています。
プロのスポーツ選手も、私たちと同じで、できれば練習はしたくないのでしょう。
「しかたなくやっている」という点は、私たちと何ら変わりません。
とはいえ、練習をしないといつまでも技術を伸ばすことはできません。
いったい、どうすれ ばいいのでしょう。
こんなときに役立つのが、メンタルトレーニングです。
実は、メンタルトレーニングは、練習時間を延ばすことにも役立つのです。
イギリスにあるポーツマス大学のリチャード・テルウェルは、トライアスロン選手に、メンタルトレーニングのやり方を教えてみました。
具体的には、楽しく練習している場面をイメー ジさせたり、「私は練習が好きなんだ」「練習って面白いなあ」と自分に言い聞かせるようにお願いしたのです。
自分で自分に話しかけるやり方は、“セルフトーク”とも呼ばれています。
こういうメンタルトレーニングをやってもらうと、実際にトレーニングする時間を長くすることができました。
「楽しい」「面白い」と自分自身に言い聞かせるようにしていると、本当に練習をすることがそんなに苦にならなくなってくるのです。
たとえば、勉強が好きな人も、あまりいませんよね。
スポーツの練習と同じです。
そこで、勉強をするときには、「いろんなことを覚えるのって、知的好奇心が刺激されるなあ」「こんなに面白いことがあるんだなあ」と自分に語りかけながらやってみるのです。
すると、勉強もそんなに苦になりません。
仕事もそうですね。「ああ、イヤだ、イヤだ」と思っているから、仕事がイヤになってしまうのです。
こんなときには、ウソでもいいので、「こんなに楽しいことをさせてもらって、しかもお金までもらえるなんて、自分はなんて幸せ者なんだ!」と自分に語りかけるのです。
そうすれば、本当に仕事も楽く感じるようになるでしょう。
結局、面白いと感じるか、辛いと感じるかは、本人の思い込み次第です。
どうせやらなければならないことなら、メンタルトレーニングによって、面白いと感じながらやったほうがいいに決まっています。
まずは自分に面白いと感じる暗示をかけてしまいましょう。
「面白いぞ、これ!」と口癖のように唱えていると、辛くて苦しいことでも、ホイホイとできるようになります。