2021.11.21
「好きなことを仕事にするのではなく、好きなことが仕事になる」というアプローチとは別に、「今やっている仕事を好きになる」という道もある。
本田静六氏のいう「仕事の道楽化」です。
『人生の最大幸福はその職業の道楽化にあるといいます。
富も名誉も美衣美食も、職業道楽の愉快さには遠く及びません。
職業の道楽化とは、学者のいう職業の芸術化、趣味化、遊戯化、スポーツ化もしくは享楽(きょうらく)化、であって、これを手っ取り早く道楽化と称する。
名人と仰がれる画家、彫刻家、音楽家、作家などが、その職業を苦労としないで、楽しみに道楽としてやっているのと同様に、すべての人がおのおのその職業を、その仕事を道楽にするということです。
職業を道楽化する方法はただ一つ勉力(べんきょう)にあります。
あらゆる芸術と同じく、はじめの間こそ多少の苦しみはあるが、すべての歓喜も幸福も努力を通してはじめて得られることを自覚し、
自分の職業を天職と確信し、迷わず専心努力するにおいては、「断じて行えば鬼人も之を避く」とか、
「精神一到(いっとう)何事か成らざらん」といわれるとおり、いずれ必ず仕事がよくわかってきて上手になっていきます。
上手になるに従い、はじめは自己の性格(しょうぶん)に適していなように思われた職業も、しだいに自分に適するようになり、自然と職業に面白味を生じる。
一度その職業に面白味を持てば、もはやその仕事は苦労でなく道楽に変わる。』(本田静六 成功するために必要なシンプルな話をしよう/知的生き方文庫)
つまり、たまたまの縁で出会った仕事を「好きになる」という方法。
人生は、思いがけない偶然の積み重ね。
子どもの頃からの夢が実現するなどということは、まず普通の人には起こらない。
目まぐるしく変化する時代においては、自分が意図しない仕事に就くことは珍しくない。
だからこそ、その偶然に出会った仕事を好きになることも必要なんです。
「置かれたところで咲きなさい」ということ。
そういう生活の基盤ができたうえで、自分の好きなことを同時にやっていく。
そして、大事なことは、その好きなことを発信すること。
発信しなければ誰もそのことを知る術(すべ)がない。
しかし、長くそのことをアウトプットし続けていると、それが思いがけなく仕事になることが必ずでてきます。