社長ブログ

逆境の中

2021.10.14

世界のベストレストランに選ばれることが多く、食通の憧れであるコペンハーゲンの高級料理店「ノーマ(noma)」。

予約が取れないことで有名だったこの店が、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、2020年5月、全く新しいビジネスモデ ルで店を再開しました。

湖を見晴らすオープンエアのワインバー兼 テイクアウトの店としてオープンしました。

メインメニューは、何とシンプルなハンバーガー。

創業者は、予約の取れない高級レストランよりも、友人と気軽に行くことができるカジュアルな店を選んだのである。

nomaはさらに新店「POPL(ポプル)」を開業。

自社の発酵ラボで手作りされたデンマーク産オーガニックビーフのパテと、ベジタリアン・ビーガン用の植物由来代替肉のパテを使ったハンバーガーを提供する。

今までは、洗練された店内や特別な接客の中、高級な料理を味わうことがレストランの価値であるとされてきた。

しかし、そうした厳(おごそ)かな体験より、 肩の力を抜いて、気軽に楽しめることこそが、レストランの本来の価値であると、サービスを提供する側も受ける側も気付いた。

つまり、大切なのは料理の値段ではなく、リラックスできる時間であり、自然の中でワインを飲んで語らうスタイルが人々のニーズと合致した。

今後、料理の技術は世界トップレベルでありながら、 予約不要で手軽に立ち寄れるカジュアルなスタイルのレストランの需要が高くなる。

例えば、高級レストランがセカンドブランドとして立ち上げ、ニーズを取り込む手は有効といえそうです。

その場合、湖畔や、キャンプ場など自然を感じられるオープンエアでの出店はより付加価値が高くなり、ニーズを取り込める可能性が高くなる。

また、気軽に楽しめるカジュアルさに加え、これからのレストランは臨機応変に営業スタイルを変えられるフレキシビリティ(柔軟さ)が最も求められる時代になってきました。

「sio」(東京・代々木上原)は、 2021年1月からの緊急事態宣言下で朝から朝食向きのフルコースが楽しめる“朝ディナー”を始めました。


ペアリングするノンアルコール飲料も提供する。 在宅ワークで午前中を休みにするなど働き方を調整できる人が増える中での試みです。