2021.10.08
自分の人生を素晴らしいものとしたいなら、幸運であれ、災難であれ、人生で直面するさまざまなことに対し、プラスの「考え方」に基づいて行動することです。
人生の鉄則はそれに尽きると言ってもよいと思います。
たった一回しかない人生を、生きがいに満ちた、素晴らしい人生だったと言えるものにしていこうと願うなら、自らの「考え方」を美しく、気高いものに磨き上げることに努めていかなければなりません。
つまり、全人格的に優れているという意味での「全(まった)き人」を目指す努力をしなければなりません。
私が理想とする「全き人」とは、善(よ)き思いに根ざし、人間として正しいことを貫く姿勢を持つ人であり、誰もが「ああ、あの人は素晴らしい人だ」と の人物です。
また、単に能力に長(た)けているだけではなく、自然と昔から「あの人と一緒に人生を歩みたい」「共に仕事をしたい」「あの人がいてよかった」と思われるような人物のことです。
大切なのは、「こうありたい」と思い続けることです。
「こういう自分でありたい」と思って一生懸命努力し続ければ、必ず人間は成長するものです。
もともと、生まれながらに立派な人格を持った人はいません。
人間は一生を生きていくなかで、自らの意志と努力で高邁な「考え方」を持った人格を身につけていきます。 稲盛和夫