『楽しいことがあろうがなかろうが、常にニコニコした笑顔を心がけてください。
つまり、上機嫌な「フリ」をするのです。
私たちの脳みそは、私たちの「表情」に影響を受けています。
上機嫌な表情をつくっていると、私たちの脳みそは、「きっと私は今、楽しいんだ」と錯覚して、ドーパミンなどの「快」を司る脳内物質をどんどん分泌してくれ、その結果として、本当に楽しくなってしまうのです。
これを心理学では、「フェイシャル・フィードバック効果」と呼んでいます。
「楽しいことがあれば、いくらでも笑えるのに......」ではなく、「笑っている」から、「楽しくなってくる」のです。
この順番を間違えないこと。 楽しいことがあろうがなかろうが、始終、ニコニコと上機嫌にしていることです。
そうすれば、心が弾んできて、陽気に暮らせるようになりますよ。
心理学者の実験でも、このことは明らかになっています。
米国イリノイ大学の マヤ・タミールは、笑顔をつくると、そのわずか1分後には、心がリラックスし、 喜びを感じてくることを突き止めました。
愛想笑いであろうが、つくり笑いであろうが、たった1分で“てきめんな効果” が得られるわけです。
また、タミールは、しかめっ面をつくらせると、気分がネガティブになることも明らかにしています。
ですから、できるだけ不機嫌な顔をしないことも重要です。
毎日、陽気に生きていれば、小さなことでイライラすることも減っていきます。
心が上機嫌でいると、少々のことは、笑って許せるようになるのです。
たとえば、待ち合わせをした相手が遅刻をしたとしましょう。
こんなとき、心に余裕のない人は、イライラしてしまうものです。
「自分は見下されているのではないか」 「自分は大事にされていないのではないか」 などと考えると、さらに怒りが募ります。
ところが、笑顔をつくり、上機嫌でいれば、少しくらい相手が遅刻しても、 「まあ人間なんだから、たまにはそういうこともあるよね」と気軽に受け流すことができます。
腹もそんなに立ちません。
とにかく笑顔。
いつでも笑顔をつくっていることは、とても大切なのです。』
とりたてて楽しいこともないけれど、笑顔をつくったり、上機嫌のフリをすると、本当に楽しくなってっくるという「フェイシャル・フィードバック効果」は、言葉でも同じような効果があるという。
大勢の人の前でスピーチやプレゼンをしなければいけないとき、不安でいっぱいなのに「ワクワクしてきた」「絶好調!」「やった!」「できる、できる!」「最高!」と言ったら、不安も吹き飛び、ワクワクしてくる。
それを、満面の笑顔で言う。
まさに、高杉晋作の辞世の句(後の句は野村望東尼)のごとくです。
「おもしろき こともなき世を おもしろく
住みなすものは 心なりけり」
世の中の事象は、自分の心しだい、捉え方しだい。
面白くもなるし、つまらなくもなる。
だからこそ、ウソでもいいから上機嫌でいること。
すると、上機嫌があとからついてくる。