社長のつぶやき

ジャパネット話法

2021.08.25

私は番組で「2万9800円!」とか、いつも声を張り上げていたわけではないのです。

「2万9800円ですよ」と言って、3秒、間(ま)をおいてから次の展開に移る。ジョブズさんは6秒の間(ま)をおけと言っています。

その間(ま)の間に「おっ、次何が来るかな?」と視聴者はとっさに考える。

その間(ま)は長くてもいけないし、短くてもいけない。この辺りは本当に伝える言葉の出し方の大事なところです。

米国の政治家は演説がうまいじゃないですか? 米大統領がなぜあれほど演説が達者なのかというと、予備選から始まる長丁場の大統領選があるからではないでしょうか。

予備選挙の中で鍛えられるからこそ、大統領に就任した後に、演説や外交交渉で失敗することなく、大統領職を全うできるのだと思います。

日本はしゃべり方を勉強しないままに総理大臣になってしまう。その差は非常にあると思います。

だから聴衆に向かってとか、テレビを通じてお客さんに語る時には、どこで感じてもらうとか、考えてもらう「間(ま)」を作り出すことが大事であり、これは修行するしかありません。

まくし立てても伝わらない

「2万9800円!」と言って、3秒おいて「安いでしょう?」というと、視聴者は「ああ、安いのかな」と思ってくれる。

それが「2万9800円! 金利負担なしですよ。フリーダイヤルでどうぞ」と立て続けにいうと、とたんに伝わらない。

「2万9800円ですよ …(間)… 安いでしょ? …(間)… しかもねぇ」と、分割金利の説明を切り出せば腑(ふ)に落ちるじゃないですか。

これが相手に伝わるということなのだと思うのです。

こういう芸当はすぐにはできないと思うかもしれませんが、誰でも成ろうと思えばできるようになるのです。

私は「高田さんは伝え方がうまいですね」「直観がいいね」といわれることがありますが、それは誰でも成れると思います。

大事なのは、そこまで自分ができるようになるには、商品に向き合って、成ろうと思う自分がいるかどうかが大事です。

成ろうと思う気持ちがない人に成れるわけがない。それはジャパネットの社員にも言ってきました。

話のテクニックにはまだあります。世阿弥の言葉を借りれば「序破急」(じょはきゅう)という技術です。

序破急三段とか、序破急五段というバリエーションがありますが、「序」というのは伝えるときの導入部分です。

どこから導入するか。全体のプレゼン時間が5分だとしたら、最初の10秒か20秒かもしれない。

その間にその商品の説明を聞こう、見ようと引き付けるための導入部がまず要ります。

これが下手な人は、いきなり結論を言ったり、問題の展開から入ったりしてしまうから、下手な人の説明をお客さんは聞こうとしなくなります。

1分も聞いてると「これは面白くないな」と思ってチャンネルを切り替えてしまいます。....

一番まずいのは機能やソフトをごちゃ混ぜにして説明する話し方です。

聞いている人は頭の中で情報を整理できなくなります。

しゃべる人でもそういう人に出会ったことがあるでしょう。

20分間も話して何も頭に残らない。

その人は素晴らしいことを話しているのだけれど、相手に考える間(ま)を与えずに、「我見」で自分の言いたいことだけを一方的にしゃべってしまうから伝わらない。

しゃべりがうまくなるには、そういうところも気をつけなければならない。

これは話す中で、頭の中で順番を入れ替えて話せるように誰でもなります。

僕はいつごろ、それを身につけたのか覚えていませんが、いつも取り組む時には集中していましたね。

その時期が30歳か、60歳かは人によって違いますが、取り組み続けることで必ず身につきます。

結果的に努力したことは絶対無駄にならない。

どこかでその努力って報われることがあるから、人生って努力する価値があるのだと思います。僕ももっと勉強したいと思っています。 高田 明