2021.08.01
本当に人生を楽しむのは、80歳からである。
この年になって、がっくりする人と、新しい人生に燃える人が出て来る。
新しい人生に燃えるには、ファイト(気魄・活力・気力)が必要であるが、それはひたすら生かされているこの人生を喜びながら、自分の心に頭を下げ、自分に感謝しながら限りなき夢(希望)を求めるということである。
75、6歳から85、6歳までが一番伸びる時だ。
90歳まで生きないと本当の人生は分からない。
今に生きることが、限りない喜びであり、またとない楽しみである。
面白く、自然に、天地万物すべてのものに頭を下げ拝まざるを得ない気持ちになる。
つまらんことは、つまらんとして、又面白い。
それは四角四面の世の姿よりも、むしろ人生のバラエティーとしての味つけである。
問題はそれに執(とら)われるか執われないか、60歳にして、そんなことに執われるようでは、そんな心の窮屈さでは駄目である。
何を聞いても、それはそれとして面白く、自らの参考と興味になりこそすれ、一向心の邪魔にはならぬ。
そうなると若い頃のように、わる者とか、ばか者とかはなくなり、すべては人生の大芝居の一役を演じて居るだけであると思うようになる。
そういうふうに考えると、なにを見ても、なにを聞いても面白く、心の楽しみになるだけである。
若人を希望をもって成長させる。
愛のある目で見る人にはそれが出来る。
人生においては落着いた人になることである。
落着くとは神経質にならず、伸び伸びとやることが出来るようになることである。
人間は神経質の間は未熟である。
『生きよう今日も喜んで (活学叢書)』致知出版社 より