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社長のつぶやき

「天下無敵」の家訓

2019.08.30

『万人と睦(むつ)び、あらゆる人から好意をもたれるように、一人一人にもれなく言葉をかけ、貧しいような者には憐(あわれ)みの情をかけ、妻子身内の者に至るまで、常に笑顔で接して、怒った様子を見せてはならぬ』


“北条重時(ほうじょうしげとき)「六波羅(ろくはら)殿御家訓」第一条”


この家訓を残したのは鎌倉時代の武士、北条重時です。

北条重時は、鎌倉幕府第二代執権・北条義時(よしとき)の三男に当たる人物です。

北条政子(まさこ)の甥(おい)に当たる重時は、六波羅探題(たんだい)北方、鎌倉幕府連署など幕府の要職を歴任し、執権政治の安定に大きく寄与した人物として知られています。


鎌倉時代の武士というと、厳(いか)めしく、少々荒っぽいイメージもあるので、「笑顔でいろ」と家訓に書いていたのは少し意外な感じがします。

武士たるもの、そんなに簡単に笑ってはいけない。

いや、そもそも武士が笑ったのだろうか、というのが現代人の武士に対するイメージだと思います。


この家訓は、そんな私たちのイメージが思い込みに過ぎないことを教えてくれます。

何しろ「常に笑顔でいなさい」と言っているのです。

外国人は、日本はどこの店に入っても笑顔で応対してくれるので印象がいいと言いますが、その「笑顔」はなんと鎌倉時代から続く日本の伝統だったのです。


しかも、この家訓では、他人に対してだけではなく、妻子や身内に対してまで笑顔でいろと言うのですから徹底しています。

さらに、貧しいものには哀れみの情をかけて、一人ひとりに漏れなく言葉をかけなければだめだというのですから、仕事場でも笑顔、家庭でも笑顔、親戚の集まりでも笑顔と、まさに文字通り「常に笑顔」でいなければなりません。

たかが笑顔と思うかもしれませんが、それが常にということになると、これはかなりの「人格」が要求されます。


では、なぜ北条重時は常に笑顔でいなさいと言っているのでしょう。

実はこの理由がまた意外で、「すべての人と仲良くして、よく思われるようにしなさい」ということです。


しかもこの家訓は北条重時の残した家訓のトップの項目なのです。

人は大切なことを伝えるとき、たいてい一番最初か最後に書くものです。

ということは、これは彼の家訓の中でもかなり重要なものだということです。


「天下無敵というのは敵をバッタバッタとなぎ倒すことではないんだよ。天下に敵がいないということなんだ」

これは、ある出版社の方から養老猛司(よろうたけし)先生の言葉として伺ったものです。


テレビを見ていると、「この人は、敵なんていないんだろうな」と感じることがあります。

一口で言うなら好感度の高い人です。

そういう人は、無理をしなくて済むので悠々(ゆうゆう)としています。


好感度の高い人というのは、おしなべて笑顔の印象があります。

それも自然な笑顔です。

普通にしているのに天下に敵がいない「天下無敵」の人がもしいるとすれば、それは確かに「万人と仲良くして」、「常に笑って怒る姿を見せない」人なのかもしれません。

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