【逆転のために】
2019.04.12
ハワイアン・オープン最終日。
ストレスのかかった最終ホール。
そこで百メートルあまり離れたところからボールを打って、
直径二十センチほどの穴に入れて、青木功選手は逆転優勝した。
神がかりというか、よほどの偶然というか。
だが、後にテレビで青木選手は「偶然とだけはいえぬ」といい切った。
そのとき使ったのは、よく練習を積んだ道具(クラブ)だったし、
またよく練習していた距離であった。
「入る可能性を求めて練習してきた。そのおかげで入ったのだ」と。
いい言葉である。
彼等もまた終生戦国の身。
それを支えているのが、これなのだ。
人間に裏の裏の裏があるように、人生にも逆転また逆転がある。
そのために、心ならずも深く生きることになるかも知れぬが、だが、
それでこそ生きた甲斐があったということにもなろう。
わたしは『かもめのジョナサン』の著者リチャード・バックの言葉を思いだす。
「たいへんだったが、しかしすばらしかったといえる人生をおくりたい」