「三方一両損」
2019.04.01
落語の「三方一両損」の話。
『左官屋が三両入った財布を拾う。
いっしょに書き付けも入っていたので財布は大工のものとわかり、さっそく家まで届けに行く。
だが、大工は「落としたからにはもう自分のものではない、おまえがもって帰れ」と半分やせがまんから受けつけない。
左官屋も「金がほしくて届けたのではない」とこっちもなかばやせがまんで受け取ろうとしない。
三両をはさんでふたりが口論になる。
仲裁に入った大家さんは困ったあげく、あの大岡越前に解決をゆだねるが、事情を聴いた越前守はおもむろに自分のふところから一両を出していう。
「この一両を足して合計四両。二両ずつをほうびとしてふたりに与えよう。それぞれ三両入るところが二両となって、損は互いに一両ずつ。一両出した私も一両の損。三方が一両ずつ損したところで一件落着」』
《うばい合えば足らぬ わけ合えばあまる
うばい合えばあらそい わけ合えばやすらぎ
うばい合えばにくしみ わけ合えばよろこび
うばい合えば不満 わけ合えば感謝》(相田みつを)