黄昏
2018.08.05
夕方の薄暗いとき、少し離れたところにいる人が、よく見えません。
「えーと、だれだったっけ? あの人」
古代語に翻訳すると、「誰そ彼?」。
この場合の「彼」は、かならずしも男性とは限らず、「あれ、あの人」の意味です。
このことから、
人の見分けがたい夕暮れどきを「たそかれ」...にごって「たそがれ」どきというようになりました。
中国では「黄昏」。「昏」という漢字は、もともと人の足元に日が落ちたさまから成り立っていて
「日暮れ」、ひいては「暗い」という意味です。
日本ではこの字をあてて、黄昏としました。
なんとなく薄暗いというより、人が見分けにくい暗さ、というほうが具体的でわかりやすいでしょう。
では、明け方の薄暗いときは、なんというのでしょうか。
やはり、人が見分けにくいので「彼は誰?」、すなわち「かわたれ」どきといいました。
こちらの言葉をあまり聞かなくなっているのは、現代人が夜型にかたよっていて朝寝坊が多いせいかもしれません。