RIZAPの戦略
2018.05.31
日本の経済界にちょっとした衝撃が走りました。
カルビーの業績をV字回復させた松本晃(あきら)カルビーCEO。
今年6月の退任を発表した途端、同社の株価が9%も下落するという現象が起きました。
それほど信頼の厚い経営者がカルビー退任後、RIZAPグループに迎えられると報じられたのです。
《相次ぐ企業買収で急拡大しているRIZAPグループは2018年5月28日、
カルビーの会長兼CEOを務める松本晃氏を、グループの代表取締役COO(最高執行責任者)に迎えると発表した。
松本氏のCOO就任は定時株主総会が開かれる6月24日の予定で、社長の瀬戸健氏は代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)となる。
松本氏は、5月28日夜に開いた記者会見で、RIZAPへの参加を決めた経緯の詳細を語った。
「一度、お会いしたい」
松本氏と瀬戸氏が初めて会ったのは、およそ4ヶ月前の1月24日のこと。
瀬戸氏が面会を申し込んだところ、松本氏がRIZAPを訪問し、いっしょに食事をしたという。
2月14日、松本氏は再びRIZAPを訪問した。
「その時は、大部分がRIZAPのゴルフの話とか、ボディの話とか。気に入りまして」と説明する。
その2、3日後、松本氏はRIZAPに入会し、ゴルフの特訓をはじめている。
3月27日、松本氏は、カルビーの会長兼CEOを退くと発表。
瀬戸氏は、その日のうちに松本氏に連絡を取り、RIZAPの経営への参画を申し入れたという。
松本氏は5月8日、Business Insider Japanの取材に対して、
「カルビーの退任を発表した日に声をかけてくれた会社があった。
その日にアプローチしてくれたということは、移籍先を検討するときの大きな判断材料になる」と述べていた。
この取材の際に松本氏は、移籍先を選ぶポイントとして
「日々、ワクワクすること。1日が終わった時に心地よい疲れがあること」を挙げていた。
いまになって振り返れば、松本氏はこのときRIZAP入りをほのめかしていたのだろう。
松本氏は「たくさんの会社からお話をいただいた。瀬戸さんの人格にほれて、チャーミングさというのはなかなか。
魅力的な人だと思いました。
こういう人を世界に通用する起業家にしてみたいなと思っている」と、瀬戸氏を持ち上げた。
瀬戸氏は、松本氏を招へいした理由について「私以上にリーダーシップを発揮していただける松本さんがいらっしゃることは、
非常に心強い。守りと攻めの両方をやっていただきたい」と語った。
RIZAPグループは、2021年3月期の連結売上収益3000億円、営業利益350億円を目指している。
グループはこの数年、企業買収を繰り返し、急拡大している。
松本氏は、「課題としては、けっこう急いで、いろんな意味で拡大されていますから、ときどき変なミスをしてしまうことがない訳じゃない。
シニアマネジメントの人たちが、しっかり守っていかないといけない」と指摘した。
松本氏は、1972年4月に伊藤忠商事に入社。
ジョンソン・エンド・ジョンソンの日本法人社長などを経て、
2009年6月からカルビーの会長兼CEOを務めている。
6月20日に開かれる予定のカルビーの株主総会で、同社の会長兼CEOを退任する予定だ。
松本氏は7月から、RIZAPのボディメイクにも通うという。》
(Business insider Japan)から
急激な拡大路線を突き進むRIZAPグループ。
強力な基盤を築くには最適の経営者を迎えたことになります。
その松本晃氏が、引く手あまたの誘いのなかで、RIZAPを選択したのですから事業の魅力とともに瀬戸CEOの人間性、ビジョンなどに傾倒したのでしょう。
今年2月に放送されたテレビ東京「カンブリア宮殿」でRIZAPと瀬戸CEOが特集されていました。
それを見ると、松本氏の決断が理解できる気がします。
同社のビジネスモデルは実によく練られたものです。・・・知れば知るほど感銘を受けます。
相和してタッグを組めば、圧倒的な支持を集める強力なグループとなるのではないでしょうか。
ますますRIZAPグループから目が離せなくなりました♬
RIZAPのビジネスモデルは、根底に「人間力の向上」が伴わない限り、成立しないようになっているのですね♬。